【BLOG】【社長Blog】争い事の解決には裁判より根気強い話し合いを
2013-12-09
◆今年も残るところ少なくなりました。静かに新年を迎えたいところですが、或るマンションでの出来事。管理組合と区分所有者間で争い事が終に訴訟に発展したまま年を越すこととなりました。
◆1階店舗、2階から7階までが事務所と住居の雑居マンションで、1階飲食店舗の運営を新たに規制した「使用細則制定・管理規約改正」が争点です。
◆管理組合側は総会で新しい店舗使用細則を制定し、新規約を根拠に店舗運営に規制をかけたところ、店舗区分所有者側は、規約改正が事前に承諾を得ていないと、その無効を訴えております。専門的には、区分所有者第31条(規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならない)の解釈が争われております。
◆一般的には感情が先走り「訴えてやる」との思いが先行するわけですが、現実の裁判=裁判所でのやり取りには、想定以上の時間と手間(費用)の負担が大きく生じます。
◆訴える側(原告)が先ず争点をまとめ裁判所に申し立てます。裁判所は内容を確認した上で、期日を指定し裁判が始まります。
◆代理人=弁護士が立てられれば良いのですが、そうでない場合には理事長がその役割を果たせねばなりません。
◆双方の主張を出し合い、裁判官がその主張を整理・検証しながら進めます。最終判定を出す前に裁判官により「和解調停」が入りますが、不調となった場合には判決となります。争点にもよりますが、期日は通常早くても1ケ月1回のペースで行われますので、長期戦の覚悟が必要です。
◆ケースによっては「弁護士費用」や「供託金」の支出も必要です。
◆従って、訴訟提起または受ける場合には、理事会ベースではなく、臨時総会等で、都度、正確な争点を組合員へ伝え、総意の再確認作業が必要となります。一時的な感情での訴訟行為は限りなく避けるべきです。
◆争い事の解決には、先ず双方で話し合いをとことん行うことが肝要です。「話し合いを拒否したところには解決の糸口はない」と考えてください。
◆当事者双方は裁判所に「自分の主張が100%認められることを期待する」わけですが、民事訴訟では期待に反し、当事者の気持ちとはかけ離れた「折衷の判決」が出てくることも良くある話です。
◆良いお年をお迎え下さい。