◆例年この時期になると、カラス被害のクレームが持ち込まれます。季節を問わず、カラスによるゴミ置き場荒らしに頭を悩ます管理組合は多いと思いますが、今回のクレームは、「ベランダで洗濯物を干していたら、いきなりカラスが襲ってきた。幼い子供もいるので怖くて外に出れないでいる。巣をすぐに除去してほしい」との内容でした。
◆正確な事実関係は解らないと対応策が取れないと判断。早速、現地(東京都世田谷区)へ行き確認したところ、建物4階のバルコニーの目の前にある東京電力電柱トランス部分に直径40cm位の針金ハンガー造りの見事な巣を発見。
◆巣の場所が、管理対象物外であるため、管理者の東京電力管轄支店へ事情を説明し、除去を依頼しました。数時間後、早速、係員が急行してくれ除去完了、一件落着かと思いきや、巣がなくなったことを知った親鳥がギャーギャーわめきながら威嚇飛行を始めました。お客様には、カラスが諦めるまで、注意しながらしばらく様子を観ていただくことにしました。
◆カラスは、春3月ごろに巣作りを始め、4~5月ごろに産卵、5~6月ごろに雛が育ち、8月ごろに雛が巣立ちます。今頃は子育てに励む親鳥の警戒感がピークに達し、活動範囲とされる巣から20~100mの周囲に常に監視体制を敷いています。
◆共用部分が主たる対象範囲と呼ばれていた管理会社ですが、お客様の安全・安心に係るテーマへは管理対象外でも放置できません。
当面するトラブルに、自分自身で解決する人が少なくなってきている昨今、こんなところにも管理会社の役割が期待されているのでしょうか。